#視覚障害者 (全盲)がWordで文書を作成するときの工夫、「クイックスタイル」で書式設定に名前を付けながら作成する #マイクロソフト

「画面読み上げソフト(スクリーンリーダー)」を使って、視覚障害(全盲)、目が見えなくてもパソコンでWord文書を作成することができます。写真や図表などを含む複雑なものは無理なものももちろんありますが、文章とシンプルな表くらいの文書であれば独力で可能です。

それでも、文書の見た目、体裁、レイアウトを整えることは、とても難しいです。

画面読み上げソフトの機能で、フォントが明朝かゴシックか、何ポイントか、中央揃えか右揃えか、インデントや余白がどのくらいかなどを、音声の読み上げを聞いて確認することができます。

スクリーンリーダーNVDAの場合は、テンキーの0または無変換キー+fで確認できます。

また必要なWordの機能を呼び出すキーボードショートカットを覚えておくと、リボンの項目名を聞きながらカーソルキーでたどっていくより、ずっと楽に操作できます。

たとえば次のように操作していきます。Word2010とWord2013で使えると思います。

タイトル・件名の行の先頭にカーソルを合わせて:

  • Ctrl+e で中央揃え
  • Shift+Endキーで行の最後まで選択
  • Ctrl+Shift+f でフォント設定を開き、MSゴシック、14ポイントに設定

箇条書き項目の先頭にカーソルを合わせて:

  • Alt+h p g で段落設定を開き、左インデントを1字、最初の文字をぶら下げ1字に設定。

このようにして文書全体の書式を設定できますが、何ポイントでゴシックで2文字インデントでぶら下げで、と指定したり音声で確認するよりも、「大見出し」、「大段落」、「中見出し」、「中段落」、「中箇条書き」、「小箇条書き」のように名前で書式を指定したり、音声で確認できる方が、ずいぶん楽だと私は思います。

このようなことができるのが、Wordの「クイックスタイル」という機能です。

Wordの「クイックスタイル」

たとえば次のように操作していきます。

まず書式は指定せずに文章を作ります。(Wordよりも他のテキストエディタで作る方が便利です。)

1 何々について
  (1) これこれのこと
    これこれのことについてはこうこうである。その理由は以下の通りである。
    ①なぜならこれこれである。
    ②さらに何々である。
    ③ その上これこれである。
  (2)別の何か
    ①別の何かのこの側面
    ②別の何かのあの側面
2 何々についても
  (1)あのことについて
……

次にWordで、「1 何々について」の行で書式を設定し、それを新しいクイックスタイル「大見出し」として作成します。

  1. 行を選択し、Ctrl+Shift+fでフォント設定を開き、MSゴシック12ポイントを指定
  2. Alt+h p gで段落設定を開き、左インデント0字、最初の行ぶら下げ1字を指定
  3. Alt+h lでクイックスタイルを開き、Tabキーで「選択範囲を新しいクイックスタイルとして保存」を選び、名前に「大見出し」と入力

これで文書の中に「2 何々」、「3 何々」「4 何々」という同じ書式設定がある場合には、その行を選択して次のように操作するだけです。

  • Alt+h lでクイックスタイルを開き、Tabで「大見出し」を選ぶ

同じように、「(1) これこれのこと」の行で、「中見出し」を作り、「(2) …」、「(3) …」で簡単に指定できるようにします。

  1. Ctrl+Shift+fで、MSゴシック、11ポイントに設定
  2. Alt+h p gで、左インデント1字、最初の行ぶら下げ1字に設定
  3. Alt+h lで「選択範囲を新しいクイックスタイル」を選び、名前に「中見出し」と入力

「(1)…」の次の部分で、字下げ1字の段落「中段落」と、ぶら下げ1字の「中箇条書き」というスタイルを作ります。

上の方法で、「中段落」は、MS明朝10.5ポイント、左インデント2字、字下げ1字で設定します。

「① …」の行で、「中箇条書き」は字下げ1字の代わりに、ぶら下げ1字にして設定します。
「② ….」、「③ …」の行では、Alt+h lでクイックスタイルを開き「中箇条書き」を選ぶだけで同じ書式を設定できます。

こうして作ったクイックスタイルは、その文書内で繰り返し使用できるわけですが、このファイルを保存しておき、文書の部分を削除して別の文章を張り付ければ、またこの作成したクイックスタイルを使って簡単に書式設定が行えます。

別の書式で文書を作るときには、新しいクイックスタイルを作りながらの作業になります。

スタイルの名前を「レベル1見出し」、「レベル2段落」、「レベル3箇条書き」のようにもできますし、人によってわかりやすい名前は違うと思います。

私の場合は、大、中、小でレベルをわけて、それに見出し、段落、箇条書きとつけた方がわかりやすい気がしました。

大、中、小と、左インデントを1字ずつ下げます。

段落は字下げ1字、箇条書きはぶら下げ1字にします。

目の見える人の場合はこの程度であればクイックスタイルを使用しなくても、目で見ながらマウスのドラッグで簡単に素早くできてしまいますが、音で書式を確認する私にとっては「中見出し」とか「小段落」と名前で指定したり確認できるのはとても楽です。

視覚障害者(全盲)の私がよく使うWordのキーボードショートカット

項目 ショートカットキー
文字数と行数、余白、用紙サイズ Alt+p s p その後Ctrl+Tabで切り替え
左揃え・中央揃え・右揃え Ctrl+l Ctrl+e Ctrl+r
フォントの種類とサイズ Ctrl+Shift+f
インデントと、字下げかぶら下げか Alt+h p g
新しいクイックスタイルの追加、クイックスタイルの選択 Alt+h l そのあとTabで選択

参考

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