初音ミクなどボーカロイドの「VOCALOID3 Editor」を、スクリーンリーダーNVDAで視覚障害者(全盲)が操作できる部分

ブラジルの視覚障害者の「Aiyumi」さんという方が、スクリーンリーダーNVDAを使って、視覚障害者がVocaloid(ボーカロイド)で歌声データを作成する方法について書かれていました。

下記の内容は私がその説明を読んで、VOCALOID3の体験版で試したものです。

2015年1月現在、ボーカロイドエディターの最新バージョンはVOCALOID4ですが、こちらは体験版がないので試すことができません。

Vocaloidエディターを使う前の準備

何もないところから新規で作成するのはできないようでした。まずメロディーを別のソフトでmidi形式で作るか、または「木村秀一のホームページ」でVocaloid2用の.vsqファイルを作っておきます。

midiの作成は「MuseScore」や「テキスト音楽 さくら」や、その他のソフトを使って視覚障害者がスクリーンリーダーを使って作成できます。

木村秀一さんのページに音符と歌詞を書いたテキストファイルをアップロードすると.vsq形式のデータに変換してくれます。このテキストファイルの入力の時点で、ビブラートなどの設定もできるので、下記のVocaloidエディター自体での編集は必要ないかもしれませんが、両方を使えると便利だと思います。

また「UTAU」という無料で使用できる別の歌声合成ソフトで、midiファイルを読み込み、.vsqファイルを書きだすことができます。

Vocaloidエディターには「VOCALOID3 Editor」と「Tiny VOCALOID3 Editor」の2つがあります。

Tinyの方は機能制限版で歌声ライブラリにバンドルされている場合があります。制限には:

  • 16小節までしか編集できない
  • midiの読み込みができない
  • エフェクトとしてエコーがかかっていてそれが固定になっている
  • Job Pluginという追加機能が使えない

Tinyではない方ではmidiファイルを読み込むことができます。

.vsqファイルはTinyエディターでも直接読み込むことができます。

歌詞なしのmidiファイルを読み込んだ場合は「アーアーアー」の歌になり、歌詞には「あ」が入ります。

Vocaloidエディターの操作

いくつかのキーボードショートカットを使って操作します。

Ctrl+Tabキーで「トラックエディター」と「ミュージカルエディター」を切り替えられますが、下記の歌詞や音符の編集は「ミュージカルエディター」で行います。

また歌詞の編集モードに入る前に、NVDAのテンキーのNVDAキー+7で「画面レビューモード」に入り、テンキー4や7で歌詞や音符と思われるものが書かれているところでマウスクリックしておきます。

うまく歌詞の文字を見つけられないことがあるのですが、確実に操作する方法がわかりません。

●歌詞の編集:

  • F2キーで編集モードに入る
  • Tabキーで次の文字へ
  • Shift+Tabキーで前の文字へ
  • Alt+上または下カーソルキーで文字編集と音素編集モードの切り替え
  • Escキーで歌詞編集モードを抜ける

●曲の再生:

  • エンターキーで再生・一時停止
  • テンキーの-(マイナス)キーで巻き戻し
  • テンキーの+(プラス)キーで早送り
  • .(ピリオド)キーで曲の先頭へ
  • Ctrl+ホームキーで曲の先頭
  • Ctrl+エンドキーで曲の最後

●音程の編集

  • 半音上げる/下げるは、上または下カーソルキー
  • 1オクターブ上げる/下げるは、Shift+上または下カーソルキー

ビブラートなど歌に表情をつけるには

●ビブラートをつける場合:

F2キーで歌詞の編集モードに入り、Tabキーで目的の文字に移動して、Escキーで歌詞モードを抜けます。その音符が選択された状態になります。

次にAlt+lそしてpで、「歌詞」メニューの「音符のプロパティ」を開きます。NVDAの読み上げで「プロテクト、チェックボックス」と聞こえます。

ここで、テンキーのNVDAキー+7で「画面レビューモード」に入ります。そしてテンキーの4を何度か押して、「VIBRATO」と聞こえるところまで移動して、テンキーの/(スラッシュ)キーでマウスクリックします。すると「ビブラートプロパティ」画面が開きます。適当な設定をしてOKを押すとビブラートが設定されます。

「音符のプロパティ」画面のOKボタンにはTabキーでは移動しないようで、左右カーソルキーでOKに移動できました。

●他の変化をつけるには:

ビブラートと同じようにして「VIBRATO」の代りに「EXP」というところをクリックすると、「表情コントロール」画面が開きます。

またメニューから「ジョブプラグイン」という機能を選ぶと、スタッカートやレガートなどをまとめて設定できるようですが、スクリーンリーダーとキーボード操作でうまくできるかはまだわかりません。

メロディーすべてをスタッカートにするのはできましたが、一部を選択してジョブプラグインを実行するのはできませんでした。

Shift+左右カーソルキーで音符の範囲を選択できそうなのですが、私はまだうまくできません。

それから、wavファイルでの書き出しをするとき、一度再生して一時停止したときにしかできないようでした。

ビブラート以外の表情は、NVDAとキーボードの操作でどこまで設定できるのかはわかりませんが、こんなに使えるんだなあという印象でした。

参考

(http://aiyumi.warpstar.net/en/blog/accessibility-first-results-with-vocaloid”>Accessibility: First Results with VOCALOID≫Aiyumi.Warpstar.net
ブラジルの視覚障害者の方で、スクリーンリーダーNVDAでのVocaloidの操作について書いています。英語のページです。
ホームページ≫Aiyumi.Warpstar.net
上記の作者の日本語での紹介ページです。
テキストファイルから初音ミクなどで使うVSQファイルを作る方法 – 木村秀一のホームページ – 全盲でも初音ミクなどのボカロを使って作曲する方法
このページにテキストファイルをアップロードするとVocaloidなどで読み込むことができる.vsqファイルに変換してくれます。
憩いの場(12-29 52824)
視覚障害者(全盲)がVOCALOID(ボーカロイド)を使う方法についての掲示板です。以前はマニュアルが公開されていたようですが、現在はリンク切れになっています。
初心者・視覚障害者にもできるDTM入門講座 – YOUTAオフィシャルウェブサイト
視覚障害者向けに、「mml2mid」を使ったmidiの作成について書かれています。

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