「B’Score(ビースコア)」、点字楽譜方式で音符と歌詞を入力してMusicXMLで出力すると、SinsyやCeVIOでボーカロイドのような歌声データを作成できる

点字楽譜について

仮名の点字と同じ仕組みを使って、点字で楽譜を表すことができます。

たとえば4分音符で「ドレミファソラシ」と点字楽譜で書いたものを、仮名で読むと、

スサケセ シコソ

Unicode点字で点を示すと

⠹⠱⠫⠻ ⠳⠪⠺

となります。

点字楽譜の仮名読みで「ちょうちょ」のメロディー「ソミミ、ファレレ、ドレミファ、ソソソ」を仮名読みで表すと、

シケケヒ、セササヒ、スサケセ、シシシヒ

のようになります。「ヒ」は4分休符です。

パソコンの「sdf jkl」のキーを点字タイプライターの6つのキーに見立てて、この点字楽譜を6点点字方式で入力して、点字楽譜、一般の五線譜やmidiを作成できるソフトがあります。

B’Score(ビースコア)について

「B’Score(ビースコア)」は、パソコンで点字楽譜を作成するためのソフトで、目の見える一般の方だけでなく、視覚障害者自身でも、スクリーンリーダー(画面読み上げソフト)の音声や点字ディスプレイの点字表示を頼りに、点字楽譜や印刷用の五線譜、そしてmidiデータを作成できます。

対応しているスクリーンリーダーはPC-Talker(PCトーカー)と「FocusTalk(フォーカストーク)」で、点字ディスプレイはKGS社のブレイルノート・ブレイルメモのシリーズです。スクリーンリーダーNVDAには対応していません。

特に、「ビースコアX」というバージョンではMusicXMLの読み込みと書き出しができます。このMusicXMLは他のいろいろな音楽ソフトで読み込むことができます。

「初音ミク」で有名な「Vocaloid」というソフトがありますが、これと同じように歌声を作成できるものに「Sinsy(しぃんしぃ)」と「CeVIO(チェビオ)」があります。後の2つのソフト、SinsyとCeVIO、はMusicXMLを読み込んで歌声データに変換することができます。(VocaloidではMusicXMLの読み込みはできないようです。)

なので、ビースコアを使うと、点字楽譜方式で音符と歌詞を入力してMusicXMLで出力することで、「初音ミク」のような歌声データを作成することが、視覚障害者(全盲)にもできます。

「B’Score」で音符と歌詞を入力してMusicXMLを作る流れ

●音符入力までの設定

ソフトを起動して新規作成を選びます。

「楽譜の初期設定」画面で、次の項目などを設定します。

  • 「言語」、歌詞を日本語の英語どちらで入力するか
  • 調合
  • 拍子
  • 曲のタイトル
  • 速度
  • パート、一段譜か多段譜か、メロディーと歌詞を入れる場合は多段譜を選ぶ。

パートで「多段譜」を選び「次へ」を押すと、ト音記号のパートかヘ音記号か、歌詞かコードかなどを
選んで追加できるので、メロディーのパートを先に追加して、その下に歌詞のパートを追加します。

「OK」を押すと点字楽譜を入力できるようになります。

●音符の入力

メロディーの楽譜の部分は点字タイプライターで点字を打つのとほとんどは同じです。

いくつか違うところがあります。

  • 小節の区切りはマスあけ(スペースキー)ではなく、bキー
  • 複縦線はShift+bキー(点字楽譜では「きなわ ⠣⠅⠄」)
  • 終止線はCtrl+bキー(点字楽譜では「きな ⠣⠅」)

また点字楽譜では全♪と16分音符や、全休符と16分休符は同じ記号なので、明示的に入力しないといけないようです。

どう入力するのか私はわかりません。点字入力の代わりに、メニューから音符を選ぶことで入力できます。

小節に入る音符の長さと入力した音符の長さがあわないなど入力ミスがあるとメッセージが出て教えてくれるのでとても便利です。

●歌詞の入力

歌詞のパートにカーソルキーで移動して、メニューから選ぶかF7キー(カタカナ)またはF8キー(アルファベット)を押して入力していきます。

メロディーと会うようにbキーで小節の区切りを入れていきます。

詳しい記号の使い方はわかりませんが、

  • 「-(マイナス)」キーは「分ける」とき
  • 「_(アンダーライン)」キーは「のばす」とき

のように歌詞の中で使える記号がいくつかあるようです。

日本語の歌詞の場合はほとんどが1音に1文字なので、小節で区切ってカタカナでつづけて書くだけで大丈夫のようでした。

MusicXMLでの出力

メニューからMusicXMLでのエクスポートを選ぶとできます。
この機能を使うにはJavaが必要で、パソコンにインストールされていない場合は別でダウンロードしてJavaをインストールしなければなりません。

できたMusicXMLを Sinsy のサイトや、 CeVIO のソフトで読み込むと歌声に変換できます。

ただし、ビースコアが出力したMusicXMLでは速度が有効にならないようなので、MusicXMLファイルをテキストエディタで開いて調節します。次のような箇所に<sound tempo=からはじまるタグを挿入します。

&lt;metronome&gt;
&lt;beat-unit&gt;quarter&lt;/beat-unit&gt;
&lt;per-minute&gt;120&lt;/per-minute&gt;
&lt;/metronome&gt;
&lt;/direction-type&gt;
&lt;sound tempo="120"/&gt;
&lt;/direction&gt;

sound tempoの数字をper-minuteの数字と同じにします。

参考

関連投稿